素材別カラー印刷方法
カラー印刷と言われているものでも印刷方法は様々です。印刷メディア(印刷物)・素材との相性や生産性そして再現性を考え、いくつかの方法を採用しております。
1.ビニール素材
ビニール製キーホルダーでは溶剤系(ソルベント)インクジェット出力を行っております。ロール状メディア(塩ビ)に丁付し、まとめて印刷した後、高周波カット、溶着にて仕上げを行います。溶剤系プリンターの特徴へ高速出力が可能で非常に生産性に優れていますが、簡単には剥がれないものの、意図的に削れば地色が見えてしまいます。そのため弊社では出力後、表面のビニールコートを行っております。品質に関しては、高解像度出力が可能ではありますが、ソルベントインキはどうしても発色に問題があります。元データの再現性は中間色、特にピンク系、オレンジ系の鮮やかな出力には限界があります。
ソルベントインクジェット印刷機 |
2.PPフィルム(合成紙)素材
フィルムINキーホルダーで採用している方法です。これが最も家庭用インクジェット出力に近いかもしれませんが、生産性を高めるためやはり大判ロール状の印刷機を使用しています。インキは顔料系水性インキとなります。発色・解像度共に申し分なく、Illustratorからの直接出力にも対応しているため、簡単に印刷が行えます。フィルムINキーホルダーでは面付印刷後、カッティングプロッターにて各種形状に抜く作業を行っております。
水性顔料インクジェット印刷機 | カッティングプロッター |
3.アクリル・ABS・ポリカーボネート素材
アクリルキーホルダーとリールキーホルダーで採用しているのがUV硬化型インクジェット出力機です。溶剤系インクジェット印刷機がサイン業界で浸透した後、数年前から急速に普及し始めました。iPhoneカバーのオリジナル印刷が多くの業者様で行われていますが、この印刷機によるものです。シリコンやPP等一部の素材を除きほとんどの素材に印刷が可能です。鮮やかな発色は十分に得られますが、デザインにより粗目感が目立つ場合があります。また黒は漆黒までは難しく濃度的に少し薄めになりがちです。UV硬化型の樹脂インキを塗布すると同時に紫外線を照射し硬化させます。インキ定着が弱い場合は、前処理を行った後、印刷しております。
UVインクジェット印刷機 |
4.ポリエステル素材
マフラーキーホルダーはポリエステル繊維へカラー印刷を行っております。繊維質ですので、印刷というよりも染色に近いイメージです。ポリエステル素材は熱に強いので、昇華転写印刷を行います。印刷機自体は構造上紙へ印刷する通常のプリンターを使用可能ですが、インキは熱により蒸発・発色する昇華転写インキを使用致します。転写紙へ印刷した後、ローラープレス機で熱と圧力を同時に加えることで、繊維素材への染色が可能になります。
インクジェット印刷機 | ロールヒータープレス |
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