特色指定

色調表現は印刷においては最も難しく、お客様の希望通りの色を表現することは永遠の課題です。画面で見えている色、紙へ出力するインクジェットプリンターの色、レーザープリンターの色、そして弊社で使用する特殊印刷の色は全て間違いなく異なる色調表現となってしまいます。こだわりが強いお客様に対しては、「思い通りの色ではなかった・・・」というようにならないように可能な限り調整はしたいと思うのですが、限界があるのも現実です。基本的な方針としては「データをそのまま出力します」というスタンスにならざるを得ない部分もあります点、ご理解下さい。

お客様と弊社で色認識を共通化するためにDICカラーガイドやPantoneカラーチップがありますが、実際の所これも第○○版等により微妙に色調が異なるのと、同じ版でも違うことすらあります。しかし、これが唯一共有できる色認識なので、頼らざるを得ないのも現実です。

なお、DICやPantoneで色指定することを「特色指定」と言います。

 

1.カラーチップ

現在最も使用されているカラーチップにはDICカラーガイドとPantone(パントン/パントーン)があります。微妙に色が違うチップが番号順に印刷されており、その番号を指定することでどのような色目か判断できます。下の写真が実際弊社で主に使用しているPantoneカラーとDICカラーガイドです。それぞれの色に番号または名前がふられています。

カラーチップの色目はインキ自体をオリジナルで調合できるシルクスクリーン印刷やオフセット印刷は可能な限り近づけることができますが、カラーインクジェットではどうしても出ない色があるのもご理解いただけると助かります。

   
Pantone表紙 Pantoneカラー
Pantoneブックの表紙 Pantoneカラーチップを開いた所
   
DICの箱 DICカラー
DICカラーガイドの外箱 箱の中身
   

2.カラーガイドとIllustrator

実際の紙に印刷されたカラーチップがない場合、あくまで「参考程度」となりますが、Illustratorのスウォッチにカラーパレットが用意されています。Windowメニューのスウォッチライブラリから下のように辿っていけばカラースウォッチが現れます。
※Windows画面です。現在弊社にMacがないため確認できずにおります。

スウォッチ上にマウスカーソルを合わせれば、番号や色の名称が出てきます。本当に近似色レベルですが、手元にない場合には活用することは可能です。無いよりはまし程度ですが。

   
 
 
DICのスウォッチ Pantoneのスウォッチ
 

 

3.CMYKとRGB

少し話はそれますが、印刷はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)を混ぜあわせた色で出力します。このため、RGBでいただいたデータはソフト上で変換されCMYK出力されることになります。色目によっては相当画面上の色が変わってしまいます。例えばExcelやパワーポイントでいただいた色は基本的に全てRGBなので、CMYKで表現しようとすると限界色を超えている場合が殆どです。下のスクリーンショットはExcelで色付けしたものですが、これをIllustrato上のCMYK画面に貼り付けるとこんなにも色が変わります。

実際、左のような輝度が高い印刷はCMYK表現、つまりは印刷ではほぼ表現できないということになります。入稿の際はPhotoshop等の貼り付け・配置画像を含めCMYKであることを確認してお送り下さい。またExcelやPowerpointでファイルをお送りいただく場合は、RGBとなりますので、そのままの色目は印刷できない点、ご了承下さい。

   
RGBスクリーンショット CMYKスクリーンショット
RGB CMYK

 

色目は本当に難しい部分です。特色指定をいただいても近似色レベルであること、また多くの色が含まれている場合は、調整自体が難しい場合もあります点ご理解の上、ご入稿・ご注文いただけますようお願い申し上げます。

 


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