シルクスクリーン印刷とインクジェット印刷
元々、シルク(絹)に穴をあけ、空いた部分だけインキが落ちることによっていろいろな図柄を表現していたことからシルク印刷と呼ばれていますが、現在シルクを使用することはなく、代わりにインキの通りをよくしたテトロン(ポリエステル)繊維に溶剤を塗布し、熱や特殊な液により穴(孔)を空けて使用しています。
細かな製版方法はさておき、要するに繊維に穴をあけて版を作るわけで、スクリーン全体にインキを入れ、余分なインキをスキージ刃でかき取ることで、インキが落ちる部分、落ちない部分で絵を描くということです。つまりは 1版1色の絵を描くことができ、2色になると2版、3色になると3版と多色になればなるほど、多くの版が必要になります。それだけ製版代も必要です。そして、機械にもよりますが、1色印刷した後、次の色入れを行うため、パーフェクトな位置合わせは困難です。また、グラデーションもできなくはないですが、あまりうまく表現できないことが多いようです。もちろん、微妙なインキの落ち具合で、グラデーションを表現することは可能ですし、実際スクリーン印刷で階調表現を行っている場合はありますが、多くは近年発展めざましいインクジェットプリントを行った方がコスト的にも品質的にもメリットは大きくなります。
弊社商品の中でもカラー印刷タイプのストラップは殆どがインクジェット印刷で行われております。繊維へのプリントもインクジェット+転写で行えるようになり、ネックストラップやマフラーストラップでこの手法が取られております。一方、ビニールへのダイレクトタイプがビニールストラップのカラータイプ、携帯クリーナーも同様の印刷機が使用されています。アクリルストラップのはめ込みタイプもビニールではありませんが、PPフィルムにインクジェットとなっております。その他の1色や2色の商品は本革ストラップを除き、スクリーン印刷の手法を取っているため、1色限定だったり、2色までだったりする訳です。
インクジェットでももちろん1色プリントは可能ですが、スクリーン印刷のメリットはなんと言ってもインキの厚みです。印刷対象物に対し、厚盛りでインキが載るため、地色とのコントラストに優れます。これと同時にインクに適度な粘度があるため、印刷後のインキの流れ、にじみが発生しにくく、鮮明なインパクトある印字が可能になります。商品や印刷内容によりうまくインクジェットとスクリーン印刷を使い分けるのが賢い方法ではないかと思います。