ATBC-PVC・ABS・ポリレジン(ポリストーン)
フィギュアストラップ所謂小さな人形をストラップするタイプですが、いろいろな素材があります。
タイトルの通り、主に使用されている素材は下記の3種です。
- ATBC-PVC(非フタル酸系塩ビ)
- ABS
- ポリレジン・ポリストーン(ポリエステル樹脂)
※各素材に於いて全て製作できるわけではなく、様々な制限はあります点、ご了承下さい。
各素材の特長ですが、まずATBC-PVCは玩具等に非常によく使用されていますが、幼児等が口に含んだ際、環境ホルモン云々の問題があったのが、フタル酸を含まない安全な素材へ置き換えられた素材です。耐久性や細かい部分の表現は3つの中で最も優れており、細い部分等は、曲がることにより折れにくくなっています。一応軟質素材ではありますが、塊となっている部分は硬質にも感じられます。風合いとしては、昔から有るスーパーボールのイメージです。
次にABS樹脂ですが、簡単に言うとプラスチックです。PVCと比較すると硬質素材となり、マスコットを机の上に落とすとカラーンと音がします。弊社でこの素材を使用するのは、正確な形状を表現する必要がある時です。単純な形の時によく目立つのが、直線の歪みです。ドリンクの缶をPVCで作成すると横から見たときに微妙に直線ラインが実はカーブになってしまいます。ABSは硬質でしっかりとした形状表現が可能なので、問題がありそうな時に使用しております。なお、通常、中を空洞にしておりますので、PVCよりも軽量です。
最後にポリストーン・ポリレジンと呼ばれているポリエステル樹脂ですが、この素材は型代がゴム型のため、安価なのと、型の製作期間が短いので、納期にも優れています。問題は素材の特徴で、コンクリやクロス貼りの壁にねじ釘を差すと、粉が出てきてしっかりと固定できない経験がおありだと思いますが、素材感がまさにこれで、ヒートン(ねじ釘)が抜けやすかったり、衝撃による欠け、そして細い部分はヘタをすると折れてしまいます。硬質のため、PVCのように折れ曲がることで、耐えることもできないためです。
弊社では納期とお値段に問題がない場合は、基本的にATBC-PVC素材をお薦めしております。携帯ストラップはポケットやバッグに入れ頻繁に手に触れるものでもありますので、耐久性は重要ポイントだと思っております。実際ポリストーンで製作したフィギュアを作り直しされる方もいらっしゃるのが現状です。